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薬剤師・国際中医師 大串 一稔

漢方薬シリーズ その172「膝の痛み」

  膝は、関節の自由度が大きく、かつ不安定関節であるにも拘わらず、体重の負荷が掛かりやすいため、損傷しやすい部位の一つです。痛みとともに、可動制限や腫れ、水が溜まるなどの症状を伴うことも多くみられます。

 「74歳のA子さん、半年程前から膝のやや内側やふくらはぎなどが痛む。痛みは引きつるような痛みが多く、時折刺すように痛むこともある。膝裏が引きつることもある。普段から、下半身が重だるく、疲れやすい。痛みは、冷えや疲労で悪化しやすい。食欲正常で温かいものを好む。」とのことでした。

 気血両虚、肝腎虚損に瘀血阻絡を兼ねていると考え、独活寄生湯と補陽還五湯を服用していただくことにしました。また、填精補髄により、骨や関節をしっかりさせるために瓊玉膏を併用しました。1ヶ月程で痛みが軽減し、歩くのが楽になってきたとのこと。さらなる改善をめざして、現在も服用中です。

 膝痛の漢方治療は、まず痛む部位、痛みの状態、患部の色、変形などの有無、悪化条件、好転条件などを明確にして、それらを手がかりに証候のパターンをきちんと分別していきます。環境の変化によって悪化する「風痹」「寒痹」「湿痹」「熱痹」、血や水液の流れが悪いために生じる「瘀血阻絡」「痰湿阻絡」「痰瘀阻絡」、ストレスが原因となる「肝気鬱結」、気力、体力の消耗による「気血両虚」「陽虚」「陰虚」「肝腎虚損」等々、その他多くのパターンが考えられます。

 いくつかのパターンが、複雑に混在していることが多く、他の疾患同様、きちんと漢方的に判別することが治療のカギとなります。

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