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薬剤師・国際中医師 大串 一稔

漢方薬シリーズ その158 「ニキビ」


 ニキビは、皮膚科学では「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」、漢方では「粉刺(ふんし)」と称します。ニキビの発症のしくみを漢方的に考えてみると、まず、「脾は肌肉を主る」といい、臓腑の中では脾胃(消化機能)の不調が中心になることが多く、そこに皮脂の分泌を調節する肝の疏泄(自律神経)、腎の虚火(ホルモンの失調)などが深く関係しています。また、皮膚疾患といえども、長期にわたるものは、正気の虚(気・血・津液・精などの不足)を考慮することも重要です。

 Aさんは36才の女性。「以前より少しニキビができていたが、職場の部署が変わり、ストレスにより顕著に悪化。顔の両側面から顎にかけて、暗紅色或いは淡紅色の小丘疹が多発。ストレスを受けた時と月経前に悪化しやすい。安定していた月経が不順。月経前に頭痛が多い。疲れやすく、手足が冷え、寒がり。肩こり、腰痛。ストレスのせいか時に胃痛、やや便秘傾向。」といった症状でした。「肝気犯胃証」に、「寒湿証」も兼ねていると判断し、柴胡疏肝散と当帰芍薬散を服用していただくことにして、スキンケアの指導もさせていただきました。1ヶ月ほどでニキビが減少し、3ヶ月ほどで、ほとんどわからない程度になりました。

 漢方では、ニキビの色、形、好発部位、悪化条件、随伴症状などから、そのパターンを鑑別し、「風熱」「脾胃湿熱」「肝胆湿熱」「実寒」「肝気鬱結」「痰凝」「瘀血」「脾気虚」「陽虚」「陰虚」「陰虚火旺」「気血両虚」等々に分類し、更に症状、体質を分析して、治療方法や漢方処方を決定します。当薬局では、約八十種類ほどの処方を使い分けていきます。複数のパターンが混在している事もあります。皮膚疾患全般に言えることですが、患部症状をよく観察して漢方薬を決定することが治療の早道となります。

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