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薬剤師・国際中医師 大串 一稔

漢方薬シリーズ その166 「更年期障害」

 「50才のA子さん。数ヶ月前から、月経周期が早くなったり、遅くなったり不定期。頭に汗をかきやすい。手足が冷えたり、火照ったりする。火照ると蕁麻疹のようなものが出ることがある。イライラしやすい。寝つきがやや悪く、眠りが浅い。時々、軽い眩暈がする。便秘と下痢を繰り返す。」とのお話。腎精不足と肝火上炎を兼ねると考え、丹梔逍遙散に腎精を補う瓊玉膏を併用して、服用していただくことにしました。一ヶ月後、「今回は、ピッタリ28日で来ました。」と元気なご報告。睡眠の状態や体調も良く、蕁麻疹も出ないそうです。

 更年期障害は、漢方では「経断前後諸症」などと称し、まず、ホルモンの要である腎精の減少を生じ、その結果、精神活動の中心をなす「心」、自律神経と関わりの深い「肝」、決断力や快適な睡眠を生み出す「胆」などに影響を及ぼすことによって起こる身体のバランスの失調と考えています。症状や程度は千差万別で、様々な不定愁訴がみられます。そのため、漢方的な分類も、ストレスの影響が大きい「肝気鬱結」、イライラして顔がのぼせやすい「肝火上炎」、足腰がだるく手足が火照る「腎陰虚」、不安感が強くよく眠れない「心脾両虚」、動悸や不眠が主体の「心腎不交」、喉元に何かがつかえる感じがする「気滞痰凝」等々…非常に多くなります。これら、すべてのパターンに共通なのは、腎精不足が根本にあるということです。その点が、一般的な自律神経失調症などと、大きく異なります。そのため、不定愁訴を治療する標治と腎精を補う本治を併行しておこなうこと(標本同治)が、必要であり、治療の早道となります。また、更年期は、五臓六腑が不安定なことから、精神的にデリケートになっています。イライラ、不安、思慮過度などになりやすいため、うまくストレス解消することも大切です。更年期は、次に来る新しい人生の節目のような時期です。漢方を上手に使って、快適に乗り切りましょう。

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