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元気堂薬局 薬剤師・国際中医師 大串一稔

漢方薬 シリーズ 216「ストレスと耳鳴」

 耳鳴とは、外界に音がないのに、耳の中が鳴っていると自覚するもので、難聴を伴う場合が多くみられます。耳鳴には、当人だけに聞こえる自覚的耳鳴と、増幅すれば他人にも聞こえる他覚的耳鳴とがあります。耳鳴のほとんどは自覚的耳鳴であり、単に耳鳴といった場合にはこの自覚的耳鳴のことをいいます。

 漢方では、耳鳴は、肝胆、脾胃、腎の不調と関係が深いと考えられており、ストレスなどによる「肝気鬱結」「肝火上炎」「心胆虚怯」、飲食の不摂生などによる「痰濁上擾」、胃腸が弱いことによる「清陽不昇」、過労や老化などによる「気血両虚」「腎精虧虚」、或いは、ストレスと過労や老化などの複合による「肝陽上亢」「心腎不交」等々、多くのパターンがみられます。

 50代のA子さん「1年程前からストレスが続き、半年前から右耳にザーザーという音が聞こえる。横になった時やストレスを受けた時、或いは疲労により悪化しやすい。不安感が強く、眠りが浅い。夜間尿1回。立ちくらみがすることが多い。」とのことでした。心胆虚怯と精血不足を兼ねていると考え、加味温胆湯と鹿角膠の入った製剤を併用していただくことにしました。3ヶ月ほどで、耳鳴が気にならない程度になり、睡眠も深くなりました。半年ほどで、耳鳴がなくなり、体調も良好なようです。

 コロナ禍などで、閉塞感が続いているためか、気持ちがノビノビせず、ストレスによる体調不良の方が多くなっているように思います。

 耳鳴は、西洋医学的にもそうですが、漢方でも、なかなか手強い疾患です。しかし、時には著効がみられることも少なくありません。漢方治療の効果を上げるためには、発症時の状況、悪化条件、好転条件、随伴症状などから、その方に合った治療法及び漢方薬を決定することが大切です。




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