不妊の漢方相談では、月経の状態を詳しくお聞きします。なかには、月経期間が長かったり、経血の量が多かったり、排卵期などの月経
期以外に出血があったりと、
出血傾向になる方もいらっ
しゃいます。 「33 歳、結婚して2年。月経周期は
30〜
38日と長めで、月経期間は
10日間。2〜3日目は、量が多めで血塊が混じる。月経痛は、断続的で仕事終わりなどのホッとしたときに痛みが増す。5
日目からは、量が少なくなるが
10
日目まで続く。月経前は、胸が張りイライラしやすくなる。お仕事のストレスが大きい。首や肩が凝りやすく、立ち眩みがする。心
配性で気になることがある
と眠りが浅くなる。冷え症でシモヤケができる。最近ひどいストレスがあり、月経が14日間続いて心配になって
…」とのことでした。ふだん
からお仕事のストレスが大きいようですが、イライラするというより、不安を感じやすいようです。
気滞血瘀証に血虚、陽虚を兼ねていると考え、まず芎帰調血飲第一加減を服用していただき、腎精を補うために鹿茸製剤も併用しました。3ヶ
月程の服用で、月経期間は改善し、短くなってきました。
そこで、月経周期を安定させるため、鹿茸製剤は継続しつつ、体調に応じて逍遙散や帰脾湯に変更しました。その後、妊娠することができましたが、出血があります。妊娠中の出血は、とても不安なものです。安静にしながら、芎帰膠艾湯と帰脾湯を服用していただきました。安定期に入る頃には出血が止まり、ひと安心。無事、元気な男の子が誕生しました。
月経中や妊娠中に、出血傾向になる原因として、漢方では「気不統血」「瘀血」
「血熱」「肝不蔵血」などが考えられます。出血傾向を改善するためには、月経期間や経血の量などの月経の
状態、その方の体質などをよく見極めて、お身体に合った処方を選ぶことが大切です。きめ細やかなケアをして、妊娠しやすいコンディ
ションにしていきましょう。
当薬局では、不妊の漢方相談は、出産経験もある専門の女性薬剤師が主に対応させていただいております。安心してご相談ください。